異質な視点と知恵を生かして新しいモノやコトを創造することが、今その重要性を語られるオープンイノベーションの考え方だ。企業にとって、最も安心・確実なオープンイノベーションの相手が、大学である。世界で高い競争力を持っている企業の多くが、大学が持つ、企業とは異質の視点と知恵を生かすことに長けている。そして、イノベーションのスピードを、ドンドン加速させている。

 こうした企業とグローバル市場で戦っていくことになる日本企業は、これまでのような自前主義の技術開発にこだわっていたら、とても勝ち目がない。今回は、テカナリエの清水洋治氏が、現在のものづくり企業をとりまくグローバル視点での事業環境から、今求められている産学連携のかたちを論じる。(記事構成は伊藤元昭)

清水洋治(しみず ひろはる)
テカナリエ 技術コンサルタント
ルネサス エレクトロニクスなど半導体メーカーにて、1984年から2015年まで30年間にわたって半導体開発に従事した。さまざまな応用の中で求められる半導体について、豊富な知見を持っている。2015年から、半導体、基板、およびそれらを搭載する電気製品、工業製品、装置類などの調査・解析、修復・再生などを手掛けるテカナリエの上席アナリスト。

【質問1】研究開発の現場同士ではなく、企業と大学それぞれのトップが進める大がかりな産学連携は必要だと思われますか。
【回答】絶対必要だと考える

【質問2】学術分野を超えた技術開発や社会実装法の策定を大学と連携して進めることに意義を感じますか。
【回答】十分意義あり

【質問3】日本の企業は、グローバルな競争力を養うため、国内や世界の大学とどのように連携していくべきでしょうか。
【回答】プロジェクトベースで、どんどん連携していくべき