今回のテクノ大喜利では、日本で動き出した新しいかたちの産学連携を題材として、日本の企業が新しい事業を創出する際の産学連携のあるべき姿について論じている。

 欧米には、自社の競争力の醸成に向けて産学連携をフル活用して成功している「産学連携巧者」と呼べる企業が数多くある。とかくお付き合いの関係に終始しがちな日本の産学連携とは異なり、こうした企業は、キッチリと実利を生み出す仕組みを築いている。今回は、数多くの企業や政府のR&D戦略の策定に携わってきたアーサー・D・リトルの三ツ谷翔太氏が、代表的な産学連携巧者であるドイツのSiemens社の仕組みを解説しながら、日本企業が採るべき産学連携のあり方を論じた。
(記事構成は伊藤元昭)

三ツ谷翔太(みつや しょうた)
アーサー・D・リトル(ジャパン) プリンシパル
 世界最初の経営戦略コンサルファームであるアーサー・D・リトルにて、エレクトロニクス産業を中心とした製造業に対する新規事業戦略・研究開発戦略・知財戦略の立案支援、ならびに経済産業省を中心とした官公庁に対する産業政策の立案支援に従事。

【質問1】研究開発の現場同士ではなく、企業と大学それぞれのトップが進める大がかりな産学連携は必要だと思われますか。
【回答】必要だが、お付き合いに陥らない本気のマネジメントが問われる

【質問2】学術分野を超えた技術開発や社会実装法の策定を大学と連携して進めることに意義を感じますか。
【回答】意義は高く、さらに大局的に取り組んでいくべき

【質問3】日本の企業は、グローバルな競争力を養うため、国内や世界の大学とどのように連携していくべきでしょうか。
【回答】人材流動性のためのプラットフォームとしての役割に期待