人間は成長するにつれて、役割や立場が大きく変わってくる。これは電子機器についても言える。パソコンは、普及し始めた当初はワープロによる文書作成などビジネスでの用途や個人の税金の計算などを中心に使われていた。その後、マルチメディアブームが到来した時期にはエンターテインメントを楽しむ娯楽機器として、インターネットが普及してからはネット上の情報を閲覧する端末として、活用されることが増えてきた。そして、今、役割が大きく変わってきているのがスマートフォンである。
スマートフォンは、ユーザーがいつでもどこでも情報をフル活用し、快適な生活を送ることができるようにするための情報のハブになっている。スマートウオッチのようなウエアラブル端末も、スマートフォン経由で情報を扱う。スマートフォンでどの位の大きさのどのような特徴を持ったデータを扱えるかが、個人が出先で扱える情報の幅を規定するとさえ言えるかもしれない。もはやスマートフォンは、情報の出入口となる端末というより、個人が様々な場所で情報を扱うための通信インフラの一部と捉えた方が正しいかもしれない。
「商用化迫る5G、何に使うの?」と題して、5Gがビジネス的に成功するための条件を洗い出している今回のテクノ大喜利。5番目の回答者は、テカナリエの清水洋治氏である。スマートフォンが進化していく様を最前線で克明に見てきた同氏が、今と将来のスマートフォンの役割を見据えたうえでの5Gの必然性を論じる。
テカナリエ 代表取締役 技術コンサルタント