今回のテクノ大喜利では、人工知能システムのハードウエア、特に人工知能を宿すチップを取り巻く動きについて議論している。

 人工知能のチップは、誰が、どのような業界の枠組みの中で作っていくのか。それを決めるステークホルダーは、そもそも誰なのだろうか。技術開発をリードするメーカーである可能性もあるし、ユーザーの要求に沿った枠組みへとビジネスが成長する過程で自然に収束していくかもしれない。

 今回は、IHSテクノロジーの大山 聡氏が、人工知能が産業として成長していく中での具体的なサービスを提供する企業の役割を論じ、使い手側の動きに沿った人工知能チップ産業のあり方を考察した。(記事構成は伊藤元昭)

大山 聡(おおやま さとる)
IHSテクノロジー 主席アナリスト

1985年東京エレクトロン入社。1996年から2004年までABNアムロ証券、リーマンブラザーズ証券などで産業エレクトロニクス分野のアナリストを務めた後、富士通に転職、半導体部門の経営戦略に従事。2010年より現職で、二次電池をはじめとしたエレクトロニクス分野全般の調査・分析を担当。
【質問1】人工知能チップの開発と実用化に際して、どのような企業にどのようなチャンスが生まれると思われますか。
【回答】 IoTと同様、デバイスメーカーよりもサービスプロバイダーに大きなチャンスが生まれる可能性が高い
【質問2】水平分業型と垂直統合型、人工知能システムのバリューチェーンはどのような形に収束すると思われますか。
【回答】汎用性の高いシステムなら水平分業型、専用性の高いシステムなら垂直統合型に収束する
【質問3】人工知能チップの技術開発や事業化は、民生機器や産業機器など組み込み機器の開発やビジネスにどのようなインパクトを及ぼすと思われますか。
【回答】どのようなサービスが実現されるのか、それを具体化させるハードやソフトに需要が集中する