今回のテクノ大喜利では、人工知能システムのハードウエア、特に人工知能を宿すチップを取り巻く動きについて議論している。

 人工知能とひとくくりで呼ばれる情報システムには、単機能のものから人間と同様の汎用性の高い機能を持つものまで、さまざまなものがある。かつてのコンピューターは、銀行などで使われていたメインフレームと呼ぶ大型汎用機を、部品開発からシステム開発までを1社で担う垂直統合型企業が作っていた。そして、パソコンは、「WINTEL」体制で定められた標準部品を使って、システム専業メーカーがシステムを作る水平分業型の業界構造の下で作られている。両者が共存して、用途に応じて棲み分ける場合もある。

 今回は、某ICT関連企業のいち半導体部品ユーザー氏が、多種多様な機能レベルの人工知能が棲み分ける状態で、どこの部分の人工知能チップを誰が作るのかを考察した。(記事構成は伊藤元昭)

いち半導体部品ユーザー
某ICT関連企業
ICT関連企業で装置開発に必要な半導体部品技術を担当。装置開発側の立場だが部品メーカーと装置開発の中間の立場で両方の視点で半導体部品技術を見ている。

【質問1】人工知能チップの開発と実用化に際して、どのような企業にどのようなチャンスが生まれると思われますか。
【回答】人工知能チップはごくわずかな企業のみ、しかし人工知能と言わなければ非常に多くの企業にチャンスがある

【質問2】水平分業型と垂直統合型、人工知能システムのバリューチェーンはどのような形に収束すると思われますか。
【回答】垂直統合型がリーダーになり水平分業型を統率する

【質問3】人工知能チップの技術開発や事業化は、民生機器や産業機器など組み込み機器の開発やビジネスにどのようなインパクトを及ぼすと思われますか。
【回答】人工知能の機器開発への活用