今回のテクノ大喜利では、人工知能システムのハードウエア、特に人工知能を宿すチップを取り巻く動きについて議論している。

 人工知能は、IoTシステムの中で使われ、人間では扱うことができないような規模のビッグデータを分析し、その結果を価値の高い処理に活用するために利用される。さらに人工知能の進化は、IoTシステムの末端側、データを吸い上げる側にも大きな影響を及ぼす。

 今回は、アーサー・D・リトルの三ツ谷翔太氏が、特定の仕事において機械学習などの手法を使って問題解決する「弱いAI」と、人間の知能に迫る汎用性の高い知性を持つ「強いAI」それぞれにおいて、どのようなAIチップが適しているのか論じる。そして、IoTシステムの中でハードウエアやAIチップに生まれる新たな事業機会を指摘する。(記事構成は伊藤元昭)

三ツ谷翔太(みつや しょうた)
アーサー・D・リトル(ジャパン) プリンシパル
 世界最初の経営戦略コンサルファームであるアーサー・D・リトルにて、エレクトロニクス産業を中心とした製造業に対する新規事業戦略・研究開発戦略・知財戦略の立案支援、ならびに経済産業省を中心とした官公庁に対する産業政策の立案支援に従事。

【質問1】人工知能チップの開発と実用化に際して、どのような企業にどのようなチャンスが生まれると思われますか。
【回答】アルゴリズムとアーキテクチャーを一貫して担える企業

【質問2】水平分業型と垂直統合型、人工知能システムのバリューチェーンはどのような形に収束すると思われますか。
【回答】垂直統合への転換が進み、エコシステムの中心に

【質問3】人工知能チップの技術開発や事業化は、民生機器や産業機器など組み込み機器の開発やビジネスにどのようなインパクトを及ぼすと思われますか。
【回答】システムの「小脳・神経」として、組み込みに事業機会