半導体事業を部品の内製業として社内に抱えていたかつての日本の総合電機メーカーと、半導体や液晶パネルなど部品事業を中心に総合電機メーカーの業態を組み立てていった韓国Samsung Electronics社では、同じ総合電機メーカーでありながら性格が随分異なる。そして、Samsung社が、半導体ビジネスで強い地位を保ち続け、トップ企業の座を伺うまでに鳴った背景には、半導体ビジネスの特徴に合った企業体制を採れていることがありそうだ。
ただし同社は、スマートフォン事業や液晶テレビ事業でも、世界市場の中で長年にわたって強い地位を保ち付けてきた。そして、強い最終製品とそれを支える強い内製部品という、良く見ればシナジー効果が期待できる関係が、悪く見れば相互依存関係が生まれてきている。
「なぜSamsungは、いつも強いのか?」と題して、同社の強みの源泉を議論している今回のテクノ大喜利。4番目の回答者は、IHSテクノロジーの大山 聡氏である。同氏は、Samsung社が半導体産業での強い地位を維持してきた理由を分析したうえで、徐々に過去に日本企業が陥った総合電機の罠に落ちつつあることを指摘した。
IHSテクノロジー 主席アナリスト