ルネサス エレクトロニクスに、明るい話題が続いている。
足下の業績は、2017年第1四半期の売上高が前年同期比で5.9%増の1776億円、営業利益が同62%増の255億円と好調である。将来の売り上げにつながる車載マイコンの商談も順調に伸び、2016年度は9カ月目の段階で2015年度の新規商談の金額を超え6500億円を突破したという。同社 社長 兼 CEOの呉文精氏は、マイコンの市況について「車載、産業機器、家電のいずれの分野でも極めて強いニーズがある。8インチ、12インチのラインをフル稼働しても追いつかない状態」とコメントしている。
同社の筆頭株主である産業革新機構は、5月をめどに、69.2%保有していた同社の株式のうちの約20%分を売却し、保有比率を5割程度に引き下げる決定をした。いよいよ同社は、事実上の国有状態から脱皮し、未来での成長を自らの手で描くける方向へと動き出しているのかもしれない。4月には大幅な機構改革も実施。世界市場で新規顧客を開拓する体制を整えた。4月11日に開催したプライベートイベント「Renesas DevCon Japan 2017」も大入り満員であり、自動運転や先進運転支援システム(ADAS)向けに技術開発していたAIを工業用に展開するなど、応用開拓も加速している。
今回のテクノ大喜利では、「ルネサスの復活は本物か?」と題して、ルネサスの現在を評価し、同社の未来を展望した。1番目の回答者は、同社の半導体事業をよく知るゲスト回答者、いち半導体業界OB氏である。ルネサスはどれほどの苦境の中にあったのか、さらには同社が復活しつつある理由、そして将来の成長に欠かせない必要条件を語った。
ルネサスの半導体事業をよく知るゲスト回答者