2016年からスタートした第13次5カ年計画(2016〜2020年)の下、中国は付加価値の高いハイテク産業の発展を急ぎ始めた。そして、欧米や日本、韓国、台湾などの企業から、M&Aやヘッドハントなどによって、知財や人材の収集を加速させている。テクノ大喜利では、こうした中国の動きが世界の電子業界にどのような影響をもたらすのか、議論している。今回の回答者は、アーサー・D・リトルの三ツ谷翔太氏である。(記事構成は伊藤元昭)

三ツ谷翔太(みつや しょうた)
アーサー・D・リトル(ジャパン) プリンシパル
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 世界最初の経営戦略コンサルファームであるアーサー・D・リトルにて、エレクトロニクス産業を中心とした製造業に対する新規事業戦略・研究開発戦略・知財戦略の立案支援、ならびに経済産業省を中心とした官公庁に対する産業政策の立案支援に従事。

【質問1】中国の半導体業界の力が増すことで、世界の電子業界の製品開発、ものづくりにどのような変化が起きると思われますか。
【回答】メモリー分野を中心とした過剰競争と価格破壊の激化

【質問2】中国の半導体業界の力が増すことが、既存のどのような半導体メーカーに脅威や商機が生まれると思われますか。
【回答】特に韓国にとっては産業転換が切実な国家課題に

【質問3】中国の半導体業界の力が増すことで、半導体ユーザーや装置・材料サプライヤーにはどのような影響があると思われますか。
【回答】直接的な影響よりも、韓国の次の一手が競争環境に影響