無線技術の利用に欠かせない高周波モジュールをめぐって、半導体メーカーと電子部品メーカーの間で、協業やM&Aの動きが活発化している。

 その代表例が、2016年1月に発表された、TDKとQualcomm社による高周波モジュールなどを生産する合弁会社、RF360 Holdings社の設立である。RF360社の設立を契機に、両社はモバイル機器やIoT、ドローン、ロボット、自動車といった成長著しい事業領域で、より価値の高い高周波モジュールを開発・提供していく予定である。また、センサーや非接触給電のような分野でも、技術協力を拡大するという。

 国際競争力の衰えが隠せない日本の電子業界の中で、電子部品はまさに“虎の子”といえる存在である。2015年度の電子部品メーカー各社の業績は、中国でのスマートフォン市場の活況で好調。技術的にも、モジュール化技術など先進分野で海外メーカーを圧倒している。ただし、スマートフォン市場の伸び悩みの影響で、新市場の創出に踏み出し始めた。

 いかにして電子部品業界の強みを維持し、これを日本の電子業界全体の国際競争力の醸成にどのように生かせばよいのか。今回のテクノ大喜利では、「日本の至宝、電子部品はこう生かせ」と題して、半導体メーカーと電子部品メーカーの新しい協力関係の姿について、お聞きした。各回答者への質問は、以下の3つである。

【質問1】
電子部品業界との協力関係で、半導体業界のどのような分野にどのようなメリットが出てくると思われますか。

【質問2】
半導体と電子部品の融合が進むことで、電子機器や情報システムの進化・発展にどのようなインパクトがあると思われますか。

【質問3】
日本の半導体メーカー、電子機器メーカーは、強い電子部品業界が足元にある地の利をどのように生かしたらよいのでしょうか。

表●回答まとめ
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表●回答まとめ