ビジネスマンが米国大統領になると、一体何が起きるのか。これまでにも、企業経営者が政治家になった事例は多い。しかし、政治経験がないビジネスマンが、一足飛びに世界最高の権力を持つ米国大統領になるという未体験の事実は、伝統的な政治論評手法を無効化状態にし、膨らむ想像に支配された百家争鳴を呼んでいる。ただし、企業経営者の考えそうな思考法の図式からトランプ大統領の見ると、意外と分かりやすい面がある。「America First」は「顧客第一主義」そのものだ。トランプ大統領をワンマン経営者と見れば、同じような物言いの名物経営者は産業界に散見され、決して珍しくはない。
電子産業を中心に、「トランプ時代の歩き方」を論じていただいている今回のテクノ大喜利、6人目の回答者はテカナリエの清水洋治氏である。同氏は、企業経営者の行動原理からトランプ大統領の施策の傾向を推し量り、電子産業の企業にどのような影響が考察した。米国の競合としての中国の台頭、グローバル・スタンダードを標榜しながら世界の中では特殊極まりない環境である米国市場、4年という任期中に成果を出すことを迫られている状況を、ビジネスの視点ではどう見るのかを中心に論じた。
(記事構成は、伊藤元昭=エンライト)
テカナリエ 技術コンサルタント