「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」。トランプ大統領にとって、オバマ前大統領の施策と米国第一主義を脅かすような国や企業は、それらに付随するものすべてを否定したくなる「坊主」の立場にある。たとえその内容が良かろうが悪かろうが、勘に触る対象になる可能性があるのだ。では、オバマ大統領が打ち出した、明らかに米国第一で行った施策は、どのように扱われることになるのだろうか。そんな微妙な立ち位置の施策が、米国の半導体産業に関連して存在する。

 トランプ政権下での電子業界に対する影響を考えている今回のテクノ大喜利。5人目の回答者は、微細加工研究所の湯之上 隆氏である。中国が米国の半導体産業の脅威となることを明記した調査レポートに基づく数々の施策の行方を論じる。
(記事構成は、伊藤元昭=エンライト

湯之上 隆(ゆのがみ たかし)
微細加工研究所 所長
 日立製作所やエルピーダメモリなどで半導体技術者を16年経験した後、同志社大学で半導体産業の社会科学研究に取り組む。現在は微細加工研究所の所長としてコンサルタント、講演、雑誌・新聞への寄稿を続ける。著書に『日本半導体敗戦』(光文社)、『電機・半導体大崩壊の教訓』(日本文芸社)、『日本型モノづくりの敗北−零戦・半導体・テレビ−』(文書新書)。趣味はSCUBA Diving(インストラクター)とヨガ。

【質問1】トランプ政権によって、ネガティブな影響を受ける懸念がある業種をお聞かせください。
【回答】最初は、世界の半導体企業を爆買いしようとしている中国の紫光集団やファンドがネガティブな影響を受けると思っていたが、まだよく分からない

【質問2】トランプ政権によって、ポジティブな影響が及ぶ可能性がある業種をお聞かせください。
【回答】トランプ大統領にゴマをするメーカー

【質問3】日本の電子業界またはその関連業界の中で、大きな影響を受けるのは、どのような業種の企業だと思われますか。
【回答】予測できないが、あまり大きな影響は受けないのでは