トランプ大統領は、米国内の雇用を守ることを第一に、さまざまな施策を打ち出している。ものづくり企業が、雇用を作れと言われれば、工場建設という手が一般的である。日本国内の地方都市での雇用創出も、工場の誘致が中心である。しかし、同じ発想を、米国に雇用を作る場合にも持ち込む必要があるのだろうか。製造業よりサービス業の方がよほど効率よく雇用を作ることができるのではないか。
トランプ政権下での電子業界に対する影響を考えている今回のテクノ大喜利。4人目の回答者は、IHSテクノロジーの大山 聡氏である。同氏は、ものづくり企業なのだから、工場を作って雇用を創出するという発想自体に疑問を投げかけている。そして、トランプ大統領の要求は、米国という巨大な市場を舞台に、ものづくり企業が価値の高いサービス事業を生み出すための契機になるのではと見ている。
(記事構成は、伊藤元昭=エンライト)
IHSテクノロジー 主席アナリスト
1985年東京エレクトロン入社。1996年から2004年までABNアムロ証券、リーマンブラザーズ証券などで産業エレクトロニクス分野のアナリストを務めた後、富士通に転職、半導体部門の経営戦略に従事。2010年より現職で、二次電池をはじめとしたエレクトロニクス分野全般の調査・分析を担当。