米国が、世界経済と文化・文明のリーダーとして君臨してきた理由の1つに、ビジネスや科学技術でイノベーションを次々と生み出す環境を備えていることがある。世界の国々は、常に変化を先導する米国の背中を見て追随してきた。イノベーションには、新しい時代を切り開く効果がある半面、簡単には変われない多くの人々を置き去りにしてきた側面もある。「忘れられた人たち」に寄り添うことを標榜するトランプ政権が打ち出す政策は、イノベーションを創出する環境をどのように変質させていくのだろうか。
「トランプ時代の歩き方」と題して、トランプ政権下での電子業界に対する影響を考える視点を抽出する今回のテクノ大喜利。2人目の回答者は、イノベーションマネジメントや科学技術政策を専門とするコンサルタント、アーサー・D・リトルの三ツ谷翔太氏である。米国が次々とイノベーションを生み出してきたメカニズムを明確に定義して、トランプ政権のインパクトを論じる。また、米国でのイノベーション創出環境の変化で生まれる、日本をはじめとする米国以外の国々の機会についても示唆する。
(記事構成は、伊藤元昭=エンライト)
アーサー・D・リトル(ジャパン) プリンシパル