シャープが鴻海精密工業に買収されたことは、日本の電機産業の歴史の中で、時代を画する出来事になる可能性がある。今回の買収に、これまでにはないどのような意義があるのか、そして日本の電機産業の企業は何を学ぶべきなのか。今回のテクノ大喜利では、回答者の方々に、日本企業の国際競争力を維持・向上するうえでの今回の件から得られる教訓を、3つの切り口からお聞きした。今回の回答者は、ルネサス エレクトロニクスの中で、経営再建の動きを肌で感じてきた経験を持つテカナリエの清水洋治氏である。(記事構成は伊藤元昭)
清水洋治(しみず ひろはる)
技術コンサルタント
ルネサス エレクトロニクスなど半導体メーカーにて、1984年から2015年まで30年間にわたって半導体開発に従事した。さまざまな応用の中で求められる半導体について、豊富な知見を持っている。2015年から、半導体、基板、およびそれらを搭載する電気製品、工業製品、装置類などの調査・解析、修復・再生などを手掛けるテカナリエの上級アナリスト。
【質問1】経営再建を目指す日本企業が、「日の丸互助会」に頼らないことの意義や懸念をお聞かせください。
【回答】日本は徐々に溶けゆく“ツララ国家”に見える
【質問2】欧米系ではなく、アジア系の企業をパートナーとすることの意義や懸念をお聞かせください。
【回答】ゴールが違うことに懸念
【質問3】同業者ではなく、顧客やサプライヤーをパートナーとすることの意義や懸念をお聞かせください。
【回答】半導体メーカーにとっては、標準化やASSP事業から遠くなる