NVIDIA社が大きな存在感を示す自動運転の分野では、安全性の確保が何より重要だ。実現するための人工知能も、それを宿す半導体にも、安全第一が要求される。しかし、それだけで自動運転車は人々に歓迎される存在になるのだろうか。

 電気自動車の分野では、エネルギー効率の高さを売りものにする数多のクルマを尻目に、ただ速さやかっこよさをアピールするTesla社のクルマだけが憧れの存在となっている。時代の流れにまかせて買う製品ではなく、欲しいと思える製品だと認知されているのだ。電気自動車の普及を真剣に考えるのならば、こちらを入り口にした方がよかったのではとさえ思える。

 NVIDIA社の行方を探る今回のテクノ大喜利、8人目の回答者はテカナリエの清水洋治氏である。同氏は、数々の電子機器や基板を分解、分析する中で、NVIDIA社の製品に頻繁に触れている。そして、他社製品と同社製品の細かな部分の違い、感じられる設計思想までも熟知している。そうした経験を基に、自動車業界に新風を吹き込む存在としてのNVIDIA社の未来を論じる。
(記事構成は、伊藤元昭=エンライト

清水洋治(しみず ひろはる)
テカナリエ 技術コンサルタント
ルネサス エレクトロニクスなど半導体メーカーにて、1984年から2015年まで30年間にわたって半導体開発に従事した。さまざまな応用の中で求められる半導体について、豊富な知見を持っている。2015年から、半導体、基板、およびそれらを搭載する電気製品、工業製品、装置類などの調査・解析、修復・再生などを手掛けるテカナリエの代表取締役 上席アナリスト。

【質問1】NVIDIA社の最大の競合はどこだと思われますか。
【回答】Intel社

【質問2】最大の競合の視点から、NVIDIA社のビジネスの弱点はどこにあると思われますか。
【回答】チップセットと品質と経験の少なさ

【質問3】NVIDIA社に対抗するための戦略・施策としてどのようなものがあると思われますか。
【回答】プロモーションとカラー