クラウドサービスのベンダーも、スマートフォンをはじめとする電子機器のメーカーも、そして自動車メーカーまでも、人工知能(AI)関連処理を専門に実行するAIチップの開発に乗り出すようになった。AIの活用によるビジネスイノベーションの創出や仕事の高効率化のアイデアは、既に星の数ほど多く出てきている。ただし、実際にこうしたアイデアを具体化し、ビジネスにしようとすると、現状のAIシステムでは非力すぎたり、高コストでありすぎたりと、ニーズに応えられない場合も多いようだ。
AIチップの開発では、これまでのプロセッサーとは仕組みが異なる技術が使われ、半導体ユーザー自らが独自開発に乗り出す例も散見される、従来とは異なる動きが多く見られる。AIの応用分野は極めて広い。AIチップに求められる要求もまた多様だ。半導体メーカーがより多くの応用を集約できるチップを開発・生産し、これを利用して機器メーカーやサービスプロバイダーが価値の高い機器やサービスを生み出す。こうした従来の業界構造とは別の形が出来上がる可能性も出てきている。
その一方で、人工知能(AI)やIoTを応用する動きが、さまざまな業種に広がり、「X-Tech」と呼ばれる技術を活用したビジネスイノベーションを創出する動きが活発化してきた。さらに、日本の基幹産業である自動車産業では、欧州から世界へと突然広がったEVシフトへの迅速な対応が迫られている。2018年、こうした状況と動きを受けて、一体どのような出来事が起こるのだろうか。
「大喜利回答者、2018年の注目・期待・懸念」をテーマに、各回答者が注目している2018年の動きを挙げていただいている今回のテクノ大喜利。4番目の回答者は、服部コンサルティング インターナショナルの服部 毅氏である。同氏は、2018年の注目点としてAIチップを巡る動きを挙げ、動向を注視する上での視点を提示した。
服部コンサルティング インターナショナル 代表