2017年は、政治や経済などさまざまな分野で、大変革が起きる可能性が指摘されている。それは半導体業界も同様だ。今後の半導体メーカーの勢力図に大きく塗り替えるような変化が起きる可能性が高い。ストレージのオールフラッシュ化によって、フラッシュメモリーメーカー各社に歴史的順風が吹いている。この順風は、今後さらに強くなっていくことが予想される。

 ところが、この順風の効果を享受できる立場にいる企業の多くが、なぜか一斉に不安要因を抱えている。自社製品の不具合による損失とブランドの失墜、中核事業での巨額損失、知財や生産技術の調達不安など、次々とよくない出来事が起きている。あたかも、電子業界の中で大きな影響力を持つ責任ある立場に立つ資格を試されているかのようだ。

 2017年の注目点を大喜利の回答者に挙げていただく今回のテクノ大喜利、4人目の回答者は服部コンサルティング インターナショナルの服部 毅氏である。同氏は、フラッシュメモリーのサプライヤー各社の現状と今後の動きを見ていくうえでの視点を解説した。さらに、液晶向けの生産技術や棚上げされている450mmウエハー向け技術の応用先として、新型パッケージ技術が浮上する可能性を示唆する。
(記事構成は、伊藤元昭=エンライト)

服部毅(はっとり たけし)
服部コンサルティング インターナショナル 代表
 大手電機メーカーに30年余り勤務し、半導体部門で基礎研究、デバイス・プロセス開発から量産ラインの歩留まり向上まで広範な業務を担当。この間、本社経営/研究企画業務、米国スタンフォード大学 留学、同 集積回路研究所客員研究員なども経験。2007年に技術・経営コンサルタント、国際技術ジャーナリストとして独立し現在に至る。The Electrochemical Society (ECS)フェロー・理事。マイナビニュースや日経テクノロジーオンラインなどに、グローバルな見地から半導体・ハイテク産業動向を随時執筆中。近著に「メガトレンド半導体2014-2023(日経BP社)」「表面・界面技術ハンドブック(NTS社)」がある(共に共著)。

【質問1】2017年に、最も注目しているトピックスは何ですか。
【回答】今年半導体産業好転をけん引する3D NAND業界の動き

【質問2】2017年に、最も注目している技術は何ですか。
【回答】FOWLP (Fan Out Wafer Level Package)

【質問3】2017年に、最も注目している企業はどこですか。
【回答】自らの変革を目指すQualcomm社