もはや自社技術だけで、強いビジネスを展開できる時代ではなくなった。電子産業だけではなく、あらゆる業種の企業が新しいビジネスの創出に取り組んでいるIoT関連のビジネスでは、なおさらその傾向が強い。さまざまな機能と強みを持った企業が協力しながら、新しい製品やサービスを開発し、共に市場を切り開くためのエコシステムの形成が欠かせない。

 大喜利の回答者が2017年の注目点を挙げる今回のテクノ大喜利、2人目の回答者であるアーサー・D・リトルの三ツ谷翔太氏は、IoTでのエコシステムの形成を巡る動きを追う上での視点を提示した。そして、パソコンでの「Windows」と「Mac」、スマートフォンでの「Android」と「iOS」に似た、エコシステム形成に対するイデオロギーが異なる2陣営がIoT関連市場で旗揚げすることを予感させる議論を展開する。
(記事構成は、伊藤元昭=エンライト)

三ツ谷翔太(みつや しょうた)
アーサー・D・リトル(ジャパン) プリンシパル
 世界最初の経営戦略コンサルファームであるアーサー・D・リトルにて、エレクトロニクス産業を中心とした製造業に対する新規事業戦略・研究開発戦略・知財戦略の立案支援、ならびに経済産業省を中心とした官公庁に対する産業政策の立案支援に従事。

【質問1】2017年に、最も注目しているトピックスは何ですか。
【回答】 IoT時代が求める「エコシステム」という経営思想

【質問2】2017年に、最も注目している技術は何ですか。
【回答】個別技術以上にオープンイノベーション・スキームの拡大

【質問3】2017年に、最も注目している企業はどこですか。
【回答】エコシステムの構築を争うARM社とQualcomm社