エレクトロニクス業界で2015年に話題に上がった言葉、2016年に新しい潮流を生みそうな言葉について考えていただいたテクノ大喜利。今回の回答者は、技術者、経営者の経験を持った複眼的な視点を持つ学者の立場から、慶應義塾大学の田口眞男氏である。(記事構成は伊藤元昭)

田口 眞男(たぐち まさお)
慶應義塾大学 特任教授
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1976年に富士通研究所に入社とともに半導体デバイスの研究に従事、特に新型DRAMセルの開発でフィン型のキャパシタ、改良トレンチ型セルの開発など業界で先駆的な役割を果した。1988年から富士通で先端DRAMの開発・設計に従事。高速入出力回路や電源回路などアナログ系の回路を手掛ける。DDR DRAMのインターフェース標準仕様であるSSTLの推進者であり、命名者でもある。2003年、富士通・AMDによる合弁会社FASL LLCのChief Scientistとなり米国開発チームを率いてReRAM(抵抗変化型メモリー)技術の開発に従事。2007年からSpansion Japan代表取締役社長、2009年には会社更生のため経営者管財人を拝受。エルピーダメモリ技術顧問を経て2011年10月より慶應義塾大学特任教授。

【質問1】2015年に最もインパクトを感じた出来事、潮流を1つだけお聞かせください?
【回答】世相の荒れと経営の問題に技術はなす術もなかった

【質問2】2016年には廃れるまたは下火になると思われる言葉を1つだけお聞かせください?
【回答】量子テレポーテーション

【質問3】2016年に大きな動きにつながりそうな、気になる言葉を1つだけお聞かせください?
【回答】紅色資本が半導体産業を再編