テラスカイが2015年9月15日から18日まで米サンフランシスコで開催している米Salesforce.comの年次イベント「Dreamforce 2015」で、「Salesforce」の画面をカスタマイズするツールの新版「SuPICE(スパイス)」を披露した。Salesforceの新ユーザーインターフェース(UI)技術「Lightning」に対応したのが特徴だ。

 テラスカイは、ドラッグ&ドロップ操作でSalesforceの画面を作成できるツール「SkyVisualEditor」を販売している。SalesforceのUI技術が従来の「Visualforce」から、よりモバイルを意識した「Lightning」に移行し始めたことから、テラスカイは新ツールである「SuPICE」を開発。日本市場よりも先に今回のDreamforceで米国市場向けに披露した。SuPICEは2015年12月に、米国市場で先行販売する予定だ。

 Dreamforceの会場では、テラスカイの名物社員であるジェイソン・ダニエルソン氏がブースに立って、SuPICEの機能などを説明した(写真)。「お笑い芸人」として全国的に有名になったダニエルソン氏だが、テラスカイでの肩書きは「グローバルアライアンス部 部長」。テラスカイの製品を海外市場に売り込むことが、氏のここでの務めだ。

写真1●「Dreamforce 2015」のブースに立つテラスカイのジェイソン・ダニエルソン氏
写真1●「Dreamforce 2015」のブースに立つテラスカイのジェイソン・ダニエルソン氏
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 テラスカイのSkyVisualEditorは、日本市場では特に「紙の帳票」のような画面をSalesforce上で実現できるツールとして人気を集めた。紙の帳票を重視しないと言われる米国市場で、テラスカイのツールをどう売り込んでいるのか。また新製品のSuPICEはどのような製品なのか。ダニエルソン部長に話を聞いた。

SkyVisualEditorの海外市場での手応えはどうでしょうか。

 ダニエルソン部長:Salesforceの画面を現場のユーザー自身が開発できる「ビジュアル開発ツール」として売れています。例えば、米ニューヨークにある米Milrose Consultantsという会社は、ビルなどを建設する際の申請書類の管理業務に、SalesforceとSkyVisualEditorを活用しています。

 建設関連の申請書類の書式は役所毎に違うので、この会社は何百種類もの書類をSalesforceで管理する必要がありました。書類の書式に対応した画面を作成するのに、SkyVisualEditorを使ったのです。

なるほど。役所の書式に対応するのが面倒なのは、日本でも米国でも変わらないのですね。

 ダニエルソン部長:ヨーロッパでもそのような傾向があり、SkyVisualEditorが売れています。国際送金サービス大手、英Western UnionもSkyVisualEditorのユーザーの1社です。