LyftはGMと提携して「自動車はタダ」

写真2●2016年1月の「CES」でLyftとの提携を発表する米GMのMary Barra CEO(最高経営責任者)
写真2●2016年1月の「CES」でLyftとの提携を発表する米GMのMary Barra CEO(最高経営責任者)
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 Uberの最大の競合であるLyftは、Lyftに5億ドルを出資する米GMと連携することで、よりアグレッシブなドライバー支援策を提供している(写真2)。LyftとGMが2016年3月に発表した「Express Drive Program」では、Lyftのドライバーが「乗客を週に65回以上乗せた場合」、GMの自動車を無料でレンタルできるのだ。

 「乗客を週に40回以上乗せた場合」でも「1週間82ドル(中型セダンの「Chevrolet Malibu」の場合)」と安価。「乗客を週に乗せた回数が40回未満の場合」は、1週間82ドル(同)に加えて、「1マイル当たり20セント」を支払う必要があるという仕組みだ。

 LyftがExpress Drive Programを提供するのは、シカゴ、ボストン、ワシントンDCなどの限られた都市だけだが、Lyftドライバー専業として働くのであれば自動車は無料で提供してしまうという積極策を展開することで、Uberに対抗している。

 UberやLyftがドライバー支援策に力を入れているのは、ドライバーの数が売り上げに直結するためだ。また現時点では両社とも、「需要」よりも「供給」を増やすことを最優先にしている模様だ。シリコンバレーでは「Uberに乗ろう」という広告に接する機会はまったく無い一方で、「Uberドライバーになろう」といったラジオ広告やWeb広告には頻繁に接する。

 今回の提携によって「Uber・トヨタ連合」対「Lyft・GM連合」という構図も明確になった。LyftとGMは自動運転車の開発でも提携している。巨大自動車メーカーを巻き込んだUberとLyftの競争は、今後も過熱する一方になりそうだ。