ウエアラブル機器の性能を測定するこのコラム。今回は、米Apple社の腕時計型端末「Apple Watch」(図1、図2)を、電力性能を中心に評価した。
Apple Watchについては、分解記事が多数出ているので、本稿では詳しく述べない。ただ、測定の過程で、これまで報じられていないと思われる興味深い構造を確認することができたので、最初にこの点についてお知らせしたい。
その構造とは、ディスプレー部と筐体部の接点にある、パッキン状のセンサーである(図3)。Apple Watchではディスプレー部を強く押す(以下、この動作をプレス動作と呼ぶ)と、文字盤の変更やアプリでのオプションの表示ができるのだが、このセンサーはこの動作に関連している。
その形状やゴム状の物質であることから防水のためのものかと思ったのだが、次のことからセンサーであることが確認された。
まず、ディスプレー部を筐体部から外した状態で画面だけを押しても、プレス動作として認識されなかった(図4)。逆に、ディスプレー部にタッチしながらパッキン状のセンサーに圧力を加えると、プレス動作を認識した。このパッキン状のセンサーを外した状態で筐体とディスプレー部を押してみたが、プレス動作はしなかった。
ディスプレー部のタッチセンサーとこのセンサーは密に連携しており、センサーのみを押すだけ、あるいはディスプレー部のみを押すだけではプレス動作しないことも分かった。