予想通りEVや自動運転が今回の東京モーターショーの核であったが、軽量化も依然、クルマの技術開発にとって大きなテーマであることに変わりはない。むしろEVのバッテリー搭載量増大による重量増を抑えるべく、今後も軽量化は様々な角度から開発が進められるのは間違いない。
神戸製鋼の品質偽装問題もあってか、高張力鋼板をアピールするブースは見つけられなかったが、華やかなモーターショーの片隅で軽量化に対する提案をしていたサプライヤーがあった。
KYBはEPSや様々な乗り物のサスペンションを展示していたが、3代目プリウスと4代目プリウスのフロントサスペンションのストラット、それに開発中のCFRTP製ストラットを並べ、持ち上げて軽さを比較出来るようにしていた。3代目に比べ4代目のプリウスのストラットは2割近く軽量化されていた。
それはシェルケースのハイテン鋼採用による薄肉化とインナーロッドの中空構造化によって実現しているそうだ。それに対してCFRTP製のストラットは、樹脂製ならではの剛性の確保のため形状もかなり変わっていた。
しかもシェルケースだけでなく、インナーロッドもCFRTPにメッキ処理をしており、これが軽量化を一層進めている。持ち上げてみると圧倒的に軽い。説明員によれば、これから耐久試験などの評価試験を行ない、自動車メーカーに提案をしていくと言う。