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クルマが開く未来

カーボンファイバーの活用法さらに広がる

先端材料・機械技術の展示会「エヌプラス2017」報告

  • 高根英幸=自動車ジャーナリスト
  • 2017/11/13 05:00
  • 1/2ページ

 2017年9月末、3年ぶりに先端素材や加工技術の展示会「エヌプラス」(東京ビッグサイト)を訪れてみた。先端素材といえば、まず頭に浮かぶのはCFRP(炭素繊維強化樹脂)、カーボンファイバーである。実際にはカーボンはすでに半世紀以上の歴史があり、航空宇宙産業やレーシングカーでは当たり前の素材。しかし市販車ではまだまだ高級車やアフターパーツなどで使われる程度の、高価で贅沢な素材なのである。

 会場内を歩いていると、カーボンファイバークロスを並べているブースを見つけた。今さらカーボンファイバーのクロスを展示しているのだから、通常のモノと何か違うのかと思い、説明員に尋ねてみた。すると意外な話が聞けた。開繊(かいせん)という技術を利用したカーボンファイバーを提供しているという。この企業、サカイオーベックスは福井県の工業技術センターが開発した、繊維を傷める事無く平らに広げる技術、開繊によりカーボン繊維を従来の4分の1の厚さにすることが可能なのだとか。

サカイオーベックスが生産する開繊(かいせん)カーボンは、素材メーカーから提供されるカーボンの原糸を特殊な方法で平らに広げる。一番右が12Kと呼ばれる1万2000本の束の原糸。これを段階を経て一番左の状態にまで薄く広げる。
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 UD(縦糸のみのカーボンファイバー)であれば厚みはそのまま引っ張り強さにつながるが、クロスになると編むことによる立体構造は、実は強さの低下に結び付く。あくまでカーボンファイバーは真っすぐ引っ張った時に強さを発揮するのであり、編んで凹凸が付くのは強度面ではロスにつながるからだ。

 通常のカーボンファイバーは1本の糸が5~7μmであり、1000~5万本ほどを束ねた糸を織ってクロスにしている。それを繊維を傷めることなく糸を平らに広げることで、4分の1ほどの厚みになるというのである。開繊したカーボンファイバー「OVEX fabric」を製品化したのは3年ほど前のことだ。

オーベックスプリプレグを使って成形された見本。立体的な造型物が従来より造りやすく、軽量で強度も高めることを可能にする。
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 オートクレーブ製法で一般的に使われる熱硬化樹脂含侵済みのクロスであるプリプレグに加えて、薄いカーボンクロスやUDの表面にのみ熱硬化樹脂、あるいは熱可塑性樹脂を塗布したセミプレグという特殊な中間素材も用意しているあたりに、同社の特殊性を感じた。

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