いよいよ国内での初お披露目となった「SKYACTIV-X」を搭載した開発車両に試乗する機会を得た。前編では、より詳細が明らかになったSKYACTIV-Xについて解説した。今回は次世代ビークルアーキテクチャーと呼ぶクルマ全体の最適化技術について述べる。

次世代ビークルアーキテクチャーのボディーに対する考え方。左の現行型と比べ、途切れていた箇所、縦方向へも環状構造を採用して強固なボディーとしている。
次世代ビークルアーキテクチャーのボディーに対する考え方。左の現行型と比べ、途切れていた箇所、縦方向へも環状構造を採用して強固なボディーとしている。
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コモンアーキテクチャで培った人馬一体をさらに追求

 マツダがドライビングの解析を深化させる姿勢は、いよいよ人間の歩行のメカニズムまで解析し、それを運転状態で再現することまで追求し始めた。それは体感できるものなのかはともかく、次世代のシャーシーはつまるところ路面からの入力を車体の四輪全てに遅れなく伝えることを目指しているようだ。

 一つのタイヤからの入力を遅れなく車体全体に伝えることで、異なる方向からも遅れて入力があることの違和感を解消させようというのであろう。それにはまずボディー剛性を高めることが必要で、これまでピラー回りをグルリと囲むように横方向の構造材を連続させて環状構造に強化してきたものを拡大し、縦方向にも連続させることにより、レーシングカーのロールケージのように強固な構造体とするようだ。これによりダイアゴナルな動きが改善され、ボディーはより安定感を高めてながらも軽快な走りを実現できるらしい。