広島地域の自動車メーカー、環境関連の政府関係法人、大学などで構成する「ひろしま自動車産学官連携推進会議」(通称:ひろ自連)のシンポジウム「自動車用次世代液体燃料シンポジウム2017」(2017年6月、広島大学で開催)の報告の後編。今回は、バイオ燃料に関する講演について紹介する。

 ユーグレナ 代表取締役社長の出雲充氏は、植物(光合成をする)と動物(自在に動く)の特徴を併せ持つ微細藻類ユーグレナの優れた点を紹介。試行錯誤を繰り返し、安定した培養を実現する方法を見いだしたことにより、量産化に成功し、毎日19万人が健康食品や化粧品として利用するまでになった現在までの経緯を説明した。

ユーグレナ 代表取締役社長の出雲充
ユーグレナ 代表取締役社長の出雲充
ユーグレナ培養のベンチャーを東大生時代から立ち上げ、量産とビジネスを軌道に乗せた。

 今後は燃料分野への活用を見据える。出雲氏は、いすゞ自動車と共同で進めている、バイオ燃料を用いた燃料バスのプロジェクトについて語った。軽油にユーグレナ由来のバイオ燃料を5%混ぜた燃料で走る、DeuSEL燃料バスを運行していることを紹介した。続いて、羽田空港に近い横浜にバイオジェット燃料精製プラントを建設し、国産バイオジェット燃料による飛行プロジェクトを進めていることを示した。