広島地域の自動車メーカー、環境関連の政府関係法人、大学などで構成する「ひろしま自動車産学官連携推進会議」(通称:ひろ自連)のシンポジウム「自動車用次世代液体燃料シンポジウム2017」が2017年6月、広島大学で開催された。開会の挨拶には、ひろ自連 顧問でマツダ 代表取締役会長の金井誠太氏が登壇した。

ひろ自連顧問でマツダ代表取締役会長の金井誠太氏
ひろ自連顧問でマツダ代表取締役会長の金井誠太氏
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 シンポジウムは、資源エネルギー庁 資源・燃料部政策課の安原清英氏による講演「日本の長期エネルギー需給見通しと運輸部門における燃料多様化について」から始まった。

資源エネルギー庁 資源・燃料部政策課の安原清英氏
資源エネルギー庁 資源・燃料部政策課の安原清英氏
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 安原氏は、日本のCO2総排出量における運輸部門の割合(17.2%、2016年)を示し、化石燃料への依存度が高いことを指摘した。一方、「乗用車の燃費性能の向上は目覚ましく、自国の産業競争力を確保していく上でも、エンジン部品産業を維持しながらCO2排出量を抑えるためにバイオ燃料の導入を進めていくのが得策である」と述べた。

 同氏は、ガソリンへのバイオエタノール添加によるCO2削減効果や、国産化に向けた開発への取り組みを説明。さらに、レシプロエンジンより実現が容易なバイオジェット燃料へと話は進み、海外でのバイオジェット燃料に対する取り組みや、日本のバイオジェット燃料導入計画などを紹介した。