マツダは、2018年10月から国内で義務化するWLTC(世界統一試験サイクル)モードによる燃費表示規制に先駆けて、6月28日に発売した「CX-3」の2.0Lガソリン車でWLTCモード燃費を公開した。

6月28日に発売したマツダ「CX-3」の2.0Lガソリン車
6月28日に発売したマツダ「CX-3」の2.0Lガソリン車
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 新燃費基準による燃費の数値は、従来のJC08モードの17.0km/Lと比べて約6%低い、16.0km/Lとなった。内訳として表示する、市街地モードのL(Low)は12.2km/L。ほとんど高速道路を使わない市街地だけのユーザーであれば、Lの燃費性能の方が現実に近いと考えることができる。一方、郊外のM(Mid)と高速走行のH(High)ではそれぞれ16.8km/L、18.0km/Lとなった。

マツダ車の燃費の比較
マツダ車の燃費の比較
JC08モードとWLTC、ユーザーの申告データを集めた実用燃費である「e燃費」で比較すると、WLTCはJC08とe燃費の丁度中間レベルに収まった
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 マツダによるとWLTCモード燃費の数値は、ユーザーの申告データを集めてビッグデータ化した実用燃費の「e燃費」と、従来のカタログ燃費であるJC08モード燃費のほぼ中間に位置する。またWLTCモードでの燃費は、JC08モードと比べれば当然低下するがその割合は他社より低いという。それはエンジンなどパワートレーンの革新的技術を開発すると同時に、実燃費重視の仕様決定、および開発テストを行なってきたから、というのが理由だ。

 台上で行なうモード燃費を向上させるために実用燃費を犠牲にする仕様・設定は、ハイブリッド車やダウンサイジングターボ搭載車、軽自動車などで実際にあったようだ。モード燃費に特化した走行条件で好燃費が出せる仕様・設定は当然、実用燃費との乖離を大きくさせる。本末転倒だという感もあるが、半ば当然と思われてきた風潮もあった。