2018年1月に開催された自動車技術の総合展示会「オートモーティブワールド2018」。JFEスチールは、自動車メーカー各社に採用されたトーションビームやドアパネルなどを披露した。

JFEスチールのトポロジー最適化技術が採用された三菱アウトランダーPHEV用ドアパネルと同社が提案する「張り出し予成形技術」を用いて製作された、超高張力鋼板をスポイラーを与えて一体成形したバックドア外板パネル。デザイン性の向上と樹脂製品からの代替を狙って開発中。
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JFEスチールのトポロジー最適化技術が採用された三菱アウトランダーPHEV用ドアパネルと同社が提案する「張り出し予成形技術」を用いて製作された、超高張力鋼板をスポイラーを与えて一体成形したバックドア外板パネル。デザイン性の向上と樹脂製品からの代替を狙って開発中。
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JFEスチールのトポロジー最適化技術が採用された三菱アウトランダーPHEV用ドアパネルと同社が提案する「張り出し予成形技術」を用いて製作された、超高張力鋼板をスポイラーを与えて一体成形したバックドア外板パネル。デザイン性の向上と樹脂製品からの代替を狙って開発中。

 三菱自動車「アウトランダーPHEV」(Sエディション)のボディー接合位置の検討に採用された「トポロジー最適化」技術がその一つ。特定の条件の下において、部材の設計空間内で剛性に必要な材料部分を残し、不要部分を削除して、最適な材料の分布をもたらす設計案を見出す手法だ。この過程では、スポット溶接など接合の方法/位置などに関して、CADなどでシミュレーションの繰り返しと効率的な解の探索が行われた。

 JFEスチールは、バックドア外側部と樹脂製スポイラーを超高張力鋼板で一体成形した試作品も展示した。従来の分割式樹脂パネルとスポイラーをスチール製一体成形品として、軽量化に寄与するとしている。

独ExOne社のブースでは、同社の3Dプリンターで製作した製品例を展示した。ベージュ色の素材は同社が開発中のCHPによるウォータージャケット用中子。
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独ExOne社のブースでは、同社の3Dプリンターで製作した製品例を展示した。ベージュ色の素材は同社が開発中のCHPによるウォータージャケット用中子。
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独ExOne社のブースでは、同社の3Dプリンターで製作した製品例を展示した。ベージュ色の素材は同社が開発中のCHPによるウォータージャケット用中子。

 試作を中心とした汎用3Dプリンターとして紹介したのが、独ExOne社の製品だ。今回紹介したのは、大型の砂型3Dプリンター「S-Max」。同製品で製作されたフラン樹脂によるウォータージャケット用の中子とともに、「S-Max」で使用する造形ボックスと同サイズの展示物を設置した。

 造形ボックスは1層20個×10段の中子を製作できるとのこと。サイズは幅:1800mm、奥行:1000mm、高さ:700mm。造形時間は約21時間とされ、使用可能の材料は同機専用の珪砂などやフラン樹脂材のバインダー(結合材)などとしている。同社は樹脂素材としてCHP(Cold Hard Phenol)を開発中。鉄に近い融点を備え、鉄の鋳造用型に利用可能としている。