名古屋大学 未来社会創造機構知能化モビリティ研究部門 特任教授の二宮芳樹氏
名古屋大学 未来社会創造機構知能化モビリティ研究部門 特任教授の二宮芳樹氏

自動運転や、その要素技術の重要性が高まっている。そこで日経BP社は、「自動運転の最前線 完全自動運転を可能にするコア技術」と題したセミナーを、技術者塾として2018年1月31日に開催する(詳細はこちら)。本講座で講師を務める二宮芳樹氏(名古屋大学 未来社会創造機構知能化モビリティ研究部門 特任教授)に、自動運転技術を習得する意義や、理解を深める上でのポイントなどについて聞いた。(聞き手は、田中直樹)

――自動運転の技術を習得する意義は。

 自動運転は、自動車、ロボット、人工知能、ヒューマンファクタ-、交通などの融合技術領域です。この領域の基礎を理解することによって、今後の自動車分野の重要技術の理解が進むだけでなく、専門分野の幅を広げることができます。その結果、技術開発を適切に進められるようになります。

 自動運転は、自動車や交通の在り方を変える技術と言われます。産業構造の変革にもつながる影響が大きな技術領域であり、この急激なトレンドに対応していくことが必要になっています。

――自動運転に関する知識の習得と理解を進める上でのキーポイントを教えてください。

 自動運転の定義やメカニズムの理解をした上で、一般道での完全自動運転のような「30年後」と思われていた技術がなぜ現実のものになってきたのか、その技術ポイントをしっかりと把握していただくことを考えています。ポイントは、(1)デジタルインフラとなる高精度地図、(2)LiDARを含むセンサー融合、(3)人の運転データに基づく運転知能獲得、の3点と考えています。

――今回、特に力点を置いて説明するポイントは。

 まずは自動運転の重要概念や技術の本質を理解してもらうことを中心に考えています。自動運転は幅広い技術領域なので、重要な概念をしっかり理解した上で、最新の技術トレンドの把握をしてもらう予定です。

――今回のセミナーは、どのような方々に参加いただきたいですか?

 自動運転に今後関わることを考えている方、関連技術領域の方で、自動運転について短時間に全容とコア技術の本質を理解したい方や、幅広い知識を知っておきたい方に参加していただきたいですね。技術に関わっている方に向けた内容になりますが、一般の方が理解できる内容も多く含まれています。

――今回のセミナーを受講することで、受講者はどのようなスキルを身に付けたりできるか、ご紹介ください。

 本セミナーでは、具体的な実装に関する知識や具体的な方法を学ぶ上で前提となる概念や重要な考え方の習得を狙っています。具体的な課題に取り組むための前提となる知識になります。