無線、有線を問わず、伝送される情報量の増大は止まらない。そこで厳しさを増しているのが、アナログ/RF回路に求められる要求だ。こうした要求に応えるためには、RF回路設計の基礎を理解した上で経験やノウハウを蓄積することが重要である。闇雲にカット・アンド・トライを続けても課題は解決できない。そこで、RF CMOS回路技術の基礎と実際を学べる講座を、日経BP社は技術者塾として2015年12月10日に開催する(詳細はこちら)。本講座で講師を務める豊橋技術科学大学 研究推進アドミニストレーションセンター 科学技術コーディネーターの馬場清一氏に、講座の狙いや効果、RF CMOS回路設計のポイントなどについて聞いた。(聞き手は、日経BP社 電子・機械局 教育事業部)

――RF回路設計に関する知識や理解は、今後ますます必要とされるようになると聞きます。その理由は。

豊橋技術科学大学 研究推進アドミニストレーションセンター 科学技術コーディネーターの馬場清一氏
豊橋技術科学大学 研究推進アドミニストレーションセンター 科学技術コーディネーターの馬場清一氏

 無線、有線を問わず、伝送される情報量が増大し、アナログ/RF回路に求められる要求は厳しくなる一方です。RF技術に基づく精密な設計、実装、評価技術が、ますます重要になります。

――RF回路設計について基礎から理解することで、どのような効果があるのでしょうか。

 RF技術では、設計、実装、評価まで全ての過程で、経験やノウハウが重要と考えます。ただ、むやみにカット・アンド・トライを続けても課題は解決できません。回路設計においても、基礎を理解した上でノウハウを蓄積することが重要です。私自身も含めてですが、設計のコツやノウハウは、知らなければ損をするだけです。