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識者が指南、スキルアップの勘所

変更点に着眼する「DRBFM」でトラブルを防ぐ---トヨタ流の品質確保手法

ワールドテック講師の皆川一二氏

  • 2015/09/24 14:44
  • 1/1ページ
ワールドテック講師の皆川一二氏
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 品質不具合を未然に防止するツールである「DRBFM(Design Review Based on Failure Mode)」。トヨタ自動車とトヨタグループが活用している手法だ。設計の変更点にポイントを絞り、故障モードの影響を徹底的に調べることで品質トラブルを未然に防ぐ。「技術者塾」において「品質トラブルを未然に防ぐ切り札、トヨタも推奨するDRBFM」(2017年5月17日)の講座を持つ皆川氏に、DRBFMを学ぶ利点や効果などを聞いた。(聞き手は近岡 裕)

──技術者塾で皆川先生のDRBFMの講座が人気です。DRBFMはなぜ、求められているのでしょうか。

皆川氏:品質問題を発生させないために未然防止活動が必要である、というのは誰もが思っていることです。では、未然防止活動には、どのような活動があるでしょうか。FMEA (Failure Mode and Effects Analysis:故障モード影響解析)やデザインレビュー(DR)がありますね。

 しかし、果たして効果を得られているでしょうか? FMEAの場合、膨大な帳票の作成に手いっぱいで十分な議論ができていないのではないでしょうか。DRの場合は、単なる思いつきや粗探しになっていませんか。

 DRBFMであれば、「変更点」と「変化点」だけに注視し、「なぜ、そのような設計をしたのか」について徹底して議論できます。そのため、DRBFMを習得すれば、製品の品質不具合を未然に防止することに大きく役立ちます。

 DRBFMを導入することで得られる代表的な効果は、まず、懸念点の抽出漏れを防止できること。続いて、技術的に曖昧な部分を顕在化できること。そして、後工程が設計思想を理解し、評価および管理のポイントを抽出できること、です。

──DRBFMは、今後もますます必要とされるのでしょうか。

皆川氏:昨今の品質問題の発生により、品質に対する顧客の目は一段と厳しくなりました。一旦、大きな品質問題を発生させると会社が存続の危機にさらされることも珍しくありません。品質問題が発生してしまってからでは手遅れですから、品質問題の未然防止が必須です。この未然防止活動の決め手として、DRBFMは今後ますます必要となります。

──DRBFMを学ぶ際のキーポイントを教えてください。

皆川氏:まず、不具合を事前に発見するという強い意志を持ちながら、(1)良い設計は変えないことを基本思想とし、変更点と変化点に着眼して解析を実施します。続いて、(2)心配した全ての「故障モード」について、その故障に対する設計的な配慮事項や処置を、具体的かつ定量的に検討して記載していくのです。

──技術者塾の講座では、どのようなポイントに力点を置いて説明しますか。

皆川氏:受講者の方にDRBFMの実践力を身に付けてもらいたいと考えています。そのために、「DRBFMワークシート作成手順」、特に事前準備とSTEP1の機能分析、STEP2の懸念点抽出、STEP3の設計の考え方と処置について、それぞれを実施する上での留意点に力点を置いて解説します。講義だけでなく、演習に重点を置いていることも特徴の1つです。

──想定する受講者はどのような方ですか。また、受講することでどのようなスキルを得られますか。

皆川氏:想定する主な受講者は、設計部門や品質保証部門、製造部門などで働く入社2年目から10年目程度までの技術者や、部下を指導する立場にあるリーダーおよびマネージャーです。

 先に述べた通り、講座では演習に重点を置きます。学習の理解度は、講義だけでは5%に留まり、事例紹介を含めることで30%に、さらに演習を行うことで75%まで高まると言われているからです。そこで、講座ではまず(1)講義で手法を知り、続いて(2)事例でさらに知識を深め、さらに(3)演習で具体的な実施方法を体験する、という3段階で学びます。これにより、受講者はDRBFMの実践的な力を習得することができます。

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