5Gの開発、AIの進化、自動運転の開発、医療の高度化のために、伝送システムのさらなる高速化が求められている。そこで課題になるのがノイズ対策だ。日経BP社は「高速インターフェースのコンプライアンス試験、EMC規格をクリアするための勘所」と題したセミナーを、技術者塾として2017年11月9日に開催する(詳細はこちら)。本講座で講師を務める河村隆二氏(イノテック 設計解析ソリューション部 部長)に、ノイズ対策の動向や、今後のニーズに対応するために必要なことなどを聞いた。(聞き手は、田中直樹)

――データ伝送の高速化は、とどまるところを知りません。

 オリンピックやサッカー・ワールドカップ大会を想定した4K放送の普及、カメラやスマートフォン(スマホ)の4K化、ケーブルテレビの光伝送化の普及などにより、大容量データを扱うソース情報があふれてきています。そして、それらを伝送するためのシステムの高速化が求められています。

 さらに、4Kから8Kへの高精細化やIoT化に伴う次世代通信規格である5Gの開発、ビックデータを活用した人工知能(AI)技術の進化、車載センサーを用いた自動運転の開発、医療分野における病理の診断や手術の技術向上のための高精度画像の活用など、様々な分野において高速化のニーズは高まることが予想されます。

 一方、データ伝送の高速化により消費電力が増加するため、消費電力を抑えるための低電圧化も同時に行うことが求められています。

 このような技術を下支えするのが、高速インターフェース設計を行うための、SI(Siginal Integrity)解析技術、低電圧化を実現するためのPI(Power Integrity)解析技術、外来ノイズからの影響を最小化し、さらに自身もノイズを放射しないためのEMC(Electro-Magnetic Compatibility)解析技術です。