――前回のセミナー(2017年1月開催)にはなかった、新たに加わる内容があれば、教えてください。
今回は、SDI規格、PCI-Express、DDR4など具体的なインターフェース規格に関する説明を追加する予定です。さらに、参加者の要望が多かったEMCの分野の説明も充実させる予定です。SI、PI、EMCの3つの技術とそれらの関係性が理解できるセミナー構成であるのは、前回同様です。
――今回、特に力点を置いて説明するポイントは。
これまで、当社では数多くのノイズ関連のトラブルの案件を対応してきました。その中でノイズ対策に苦慮されている数多くのエンジニアの方とお話をさせていただく機会も得ました。それらの経験を生かした、実務に直結した分かりやすい説明を心掛けています。
本セミナーの受講者の方々のお役に立つために、話せる範囲で実際のノイズ対策で培った経験をご紹介します。こうした話も交えながら基礎知識を習得していただければ、より価値のあるものになると思います。
また、難解な数式はできるだけ使わず、直観的に理解できるように工夫するとともに、付随した解析結果を数多くご紹介します。さらに、SI、PI、EMCの相互の関係性を説明することで、ノイズ対策の全体像が把握できるように工夫します。
――今回のセミナーは、どのような方々に参加いただきたいですか?
本セミナーで想定しているのは、システム設計者、回路設計者、アートワーク設計者の方々です。これらの方々に対して、現状のノイズのトラブルを打開するためのヒントを提供し、これまでに行ってきた対策が今後も適用可能なのか、どのような技術的な裏付けがあるのかなどを理解していただき、自分で考えるための基礎知識を提供できればと思っています。
SI/PI/EMCの分野は、技術的には難解で分かりにくい分野ではあります。そのため、これまでのコンサルティング経験を生かした、分かりやすい説明を心掛けています。新人エンジニアの方や営業職の方も含め、エレクトロニクスに関わりのある幅広い方にご参加いただければと思っております。
――今回のセミナーを受講することで、受講者はどのようなスキルを身に付けたりできるか、ご紹介ください。
今回のセミナーでは、SI/PI/EMCそれぞれにおいて、以下のようなスキルを身に付けることできます。
◎SIに関して
- 信号周波数によって信号配線がどのように見えるのか?
- 信号波形を乱す原因となる反射とそのメカニズム
- 反射を抑制するための基礎となる特性インピーダンスとその調整方法
- 信号のリターン電流とその対策
- クロストークとその抑制方法
- GHzを超えた信号伝送で考慮すべき、信号の減衰効果
- 高周波の減衰成分を補正するためのイコライザー技術
- 信号波形に生じるジッタとその分類
- 波形ひずみの原因を特定するための、解析手法
- 各種インターフェースの知識や設計のポイント
◎PIに関して
- PIの基礎となるコンデンサーの基本特性
- PDN(Power Distribution Network)に関して
インプットインピーダンス
トランスファーインピーダンス
ターゲットインピーダンス - インピーダンスと過渡応答の関係性
- ノイズの原因となる反共振とそのメカニズム、抑制方法
- ノイズ対策部品とその評価について
- プレーン共振現象とその抑制方法
- LSI/パッケージ/PCBが組み合わさった際の相互作用について
- IRドロップとその抑制方法について
◎EMCに関して
- EMC規格概要
- 疑似アンテナとその対策
- 信号配線からの放射とその抑制方法
- 電源からの放射とその抑制方法
- ノーマルモードとコモンモードノイズ、その抑制方法
- 伝導ノイズとその抑制方法
- イミュニティーとその抑制方法
- EMCルールチェックとその有効性