電子部品が激増している自動車部品。いまや標準的な自動車においては部品の40%を電子部品が占めており、今後も増えていくのは確実だ。ADASや電子ミラーなど、実際の自動車部品を分解・調査してきた“分解スペシャリスト”の柏尾南壮氏(フォーマルハウト テクノ ソリューションズ ダイレクター)が、新たな分解・調査の結果を、日経BP社の技術者塾で講演する(2017年10月27日開催、詳細はこちら)。今回の講座で新たに発表する内容を、柏尾氏に聞いた。(聞き手は、田中直樹)

――前回の2017年8月の開催時と比較して、車載機器の市場や技術は変化していますか。

 自動車に搭載される通信機がますます増えています。ADASの安全装備、TCUの保安装備、インフォテインメント用などがあります。一度採用されるとしばらく変わらないことが多い自動車業界において、新規搭載の電装品は入れ替わりが激しく、新規参入メーカーも多く、目で見て変化を感じられる要素が大きい領域です。

 車載用ミラーは、電子装備を搭載したものが増えています。これまで知られてきた米Gentex社に加え、パナソニックなども追い上げています。

 また、“豪華装備”としてヘッドアップディスプレー(HUD)の搭載が増えています。この分野では、日本のシェアは引き続き高い状態にあります。

――前回の講座にはなかった、新たに加わる内容について教えてください。

 ADASでは、「Toyota Safety Sense C」の分解・調査結果を発表します。

 車載用ミラーでは、Gentex社の最新フル液晶バックミラー(および後方監視カメラ)と、日産自動車「セレナ」のフル液晶バックミラー(および後方監視カメラ)の分解・調査結果が加わります。

 TCUでは、「Toyota Prius PHV」に採用されているLTE対応通信モジュールと、日産自動車「Infinity」のLTE対応モジュールの分解・調査結果を解説します。

 ヘッドアップディスプレー(HUD)は、米国の「Cadillac」に搭載されている製品が加わります。

 2017年9月にイスラエルで開催されるベンチャー企業の祭典「DLD Tel Aviv 2017」に参加予定です。今年の主要テーマは自動車です。この展示会で学んだことを報告します。