ジェムコ日本経営コンサルティング事業部常務執行役員の宮本壽男氏
ジェムコ日本経営コンサルティング事業部常務執行役員の宮本壽男氏
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 多くの製造業で、収益に直結する購買コストダウン。ところが今、環境の変化により、交渉主体だった従来のやり方では十分な成果が見込めない状況に陥っている。

 「技術者塾」において「開発・設計者必修の購買コストダウン術」の講座を持つ、ジェムコ日本経営コンサルティング事業部常務執行役員の宮本壽男氏に、購買コストダウン術を学ぶ利点を聞いた。(聞き手は近岡 裕)

──購買コストダウンに関する講座は「技術者塾」の人気講座の1つです。購買コストダウンに関する講座は、なぜ人気があるのでしょうか。

宮本氏:ものづくりの企業では、購買コストが製造原価の中で高い比率を占める場合が多い。その分、収益改善に直結するコストダウンという意味で、常に重要な経営課題として位置づけられているのが、この購買コストダウンです。重要な位置づけなので、多くの企業が購買コストダウンを続けている。ところが、最近は調達品が多品種化したり、発注金額が頭打ちになっていたりするケースが増えています。その分、売り手側のモチベーションが上がらず、これまでのやり方ではコストダウンが難しくなってきているという問題が起きています。

 例えば、定期的な購買コストダウン活動の仕組みを構築し、年々大きな成果を上げてきた量産系の大手製造メーカー。彼らの購買コストダウンの達成水準が、現在、なんと1%にも満たないような状況になってしまっています。従って、今、従来のネゴシエーション主体の購買コストダウンの考え方や進め方を変えていく必要に迫られているのです。今回の講座「購買コストダウン術」では、そのヒントを提供します。

──購買コストダウン術を学ぶ上でのキーポイントを教えてください。

宮本氏:まず、購買コストダウンは購買部門だけの課題ではなく、企業全体の課題であるという認識を持つこと。加えて、購買コストが決まる要因や、そのために自部署がやるべきこと、その効果的な手法、部署間の協力体制のあり方などを理解すること。これらの2つが、重要なポイントです。

──本セミナーにおいて、どのようなポイントに力点を置いて説明されるご予定ですか。また、そのポイントに力点を置く理由についてもお教えください。

宮本氏:本セミナーでは、開発・設計プロセスにおける購買コストダウン術に力点を置いた説明をします。その理由は、購買部門におけるネゴシエーション主体のコストダウンが難しくなってきているから。そこで、「購買コストはものづくりの上流で決定される」という考え方に基づき、開発・設計プロセスでのコストダウンの進め方に力点を置きます。

 具体的には、開発・設計技術者や購買担当者に向けて、コスト削減活動の重要性と活動への心構えから、機能購買・有利購買の考え方や進め方、コスト分析技術、価格を決める交渉術など、いわゆる「開発購買」を効果的に進めるために必要な購買知識を分かりやすく解説します。

──想定する受講者はどのような方ですか。また、受講することでどのようなスキルを得られますか。

宮本氏:購買機能という面で、特に重要な役割を担っている開発・設計部門、および購買部門の担当者の方に受講していただきたいと思います。自部門に必要な購買コストダウン術だけでなく、他部門の購買コストダウン術についても理解することで、協力体制が強化されて、より効果的な購買コストダウンが図られると思います。

 また、本セミナーを受講すれば、調達品の設計から発注に至るまでの各プロセスにおける購買コストダウン技術(スキル)を身に付けることができます。