機器開発を進める上で欠かせない熱設計。本稿では、熱設計の専門家であるサーマルデザインラボ 代表取締役の国峯尚樹氏が、熱の性質を理解するためのクイズ問題を紹介していく。前回は、発熱体の大きさと発熱量・温度の関係を考えた。第2回の今回は、多層材料の熱対策を考える。(記事構成は、日経BP社 電子・機械局 教育事業部)

 図のように層状に構成された材料の上面(20mm×20mm)に10Wの発熱が与えられている。下面側は20℃一定に保持されている。温度一定の面以外は断熱されているものとする。各部の熱伝導率、厚みは以下の通り。

 A部(鉄材):熱伝導率60W/mK、厚み5mm
 B部(樹脂材):熱伝導率0.3W/mK、厚み0.5mm

 以下の2つのうち、熱源の温度を下げるために有効なのはどちらでしょうか。

 (1)A部の鉄材の厚みを5mmから2.5mmにする
 (2)B部の樹脂材の厚みを0.5mmから0.25mmにする

 直感で答えてください。