2015年10月の宇宙ビジネス通信をお届けします。10月は、世界各国から多くのニュースが報じられました。今月は、以下の5本をピックアップしました。

1位「Facebookが衛星通信事業に参入」

 10月5日、米Facebook社は、フランスEutelsat社と提携しアフリカ地域へインターネット接続環境を提供する計画であると報じました(発表資料)。インターネット接続には、現在製造中の静止衛星AMOS-6を活用するといいます。2016年の後半にはサービスを開始する予定とのことです。

 2015年6月、オンラインニュースサイトThe informationで、Facebook社が全世界へインターネット環境を提供する衛星開発計画について資金的な面などを踏まえ断念したと報じていましたが、Facebook社は、小型衛星群による計画ではなく、静止衛星による計画を選択したようです。

 これは、Facebook社が主導するインターネット接続環境を広める団体「internet.org」への協力の一環だといいます。internet.orgは、他にもBoeing737の翼を活用した無人飛行機「Aqulia」の開発やレーザー光による高速通信技術の開発など、インターネット接続環境の普及に向けた活動しています。

 この計画によりEutelsatは、英国ロンドンに新会社を設立する予定とのことです。世界の全人口の2/3の50億人が、まだインターネットを利用できない環境下にいるといいます。Facebookは、この領域をビジネスチャンスと捉えているようです。インターネット環境の未利用地域を利用地域に変えることで、生活に大きな変革がもたらされることになります。それにより、既存のビジネスの参入、新規ビジネスの創出が期待できます。

静止衛星AMOS-6によるアフリア地域へのインターネット環境提供のイメージ
静止衛星AMOS-6によるアフリア地域へのインターネット環境提供のイメージ
(出所:Eutelsat社ホームページ)
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