2017年3月(2017年3月1日~2017年3月31日)分の宇宙ビジネス通信をお届けします。3月も、歴史的快挙となるニュースから日本の芸能界の取り組みまで幅広いジャンルのニュースが報じられました。ここでは、以下の6つをピックアップしました。

【1位】Space X社、再利用ロケットで通信衛星の打ち上げに成功、
第1段部分の垂直着陸による回収にも成功

 2017年3月30日、米国Space X社は、史上初となる再利用ロケットによる商用衛星の打ち上げに成功しました(Space X社のホームページ)。再利用ロケットを使用したFalcon9により、SES社の商用通信衛星SES-10の打ち上げに成功し、さらにロケットの第1段部分の垂直着陸による回収にも成功しています。

 これは史上初の快挙です。この取り組みがルーチン化すればロケットによる打ち上げコストは、各段に下がるでしょう。この打ち上げの様子は動画で配信されました。

Space X社の史上初となる再利用ロケット「Falcon 9」の打ち上げの様子
Space X社の史上初となる再利用ロケット「Falcon 9」の打ち上げの様子
(出所:SpaceX社ホームページ)

 垂直着陸した第1段部分を回収したドローン船は、“Of Course I Still Love You”と名付けられています。米国SpaceX社のCEO、Eulon Musk氏の良い意味でのしつこさ、情熱の表れでしょう。実際、Musk氏は「次は24時間以内の再利用ロケットの打ち上げを目指す」と表明しています。

 ライバルの米Blue Origin社との競争もさらに激化しそうです。このような斬新な取り組みが、どんどん従来の宇宙産業を変えていきます。