2016年1月の宇宙ビジネス通信をお届けします。先月は12月28日までをまとめたので、今回は2015年12月29日からのニュースを掲載しています。

1位「ホリエモン出資の宇宙ベンチャー企業、丸紅と業務提携」

 2016年1月19日、丸紅は、「インターステラテクノロジズと、ロケット開発に関する調査研究費用の拠出および国内外の顧客に対するロケット販売支援に関する業務提携、並びにインターステラの新株予約権付与について合意した」と発表しました(ニュースリリース)。

 インターステラテクノロジズは、ホリエモンこと堀江貴文氏創業の企業であり、稲川貴大CEOのもと、超小型衛星の打ち上げロケットなどの開発と打ち上げサービスを手掛けようとしている日本を代表する宇宙ベンチャー企業です。宇宙の街として有名な北海道大樹町で活動しています。1月16日には、1t級のエンジンの燃焼試験に成功しており、高度100kmへのサブオービタル飛行用のロケットとしてのビジネスの成功を目前としています。そのほかにも、3Dプリンターやレーザカッターなどのパーソナルファブリケーション技術も手がけられているといいます。

 丸紅は、従来から、米国宇宙機器企業の販売代理店などの宇宙ビジネスを手がけてきました。宇宙ベンチャー企業と手を組むことで、自社の宇宙ビジネスを拡大し、特に超小型衛星ビジネスに参入することを想定していると推測されます。

 近年、スカパーJSAT、三井物産、ウェザーニューズなども日本の宇宙ベンチャー企業のアクセルスペースへ出資するなど、日本の大企業が宇宙ベンチャー企業と手を組みシーンが数多く見らます。しかし、日本の大企業では、斬新なアイデアを社員が提示したとしても上層部へ説明していく過程において、ごくごく普通のアイデアになってしまうという“イノベーションのジレンマ”が起きていることが多いと言われています。ベンチャー企業の強みの一つである斬新なアイデア力などの力を借りてビジネス展開を目指す大企業が増えるでしょう。日本の大手企業は、宇宙ビジネス、もう少し具体的にいうと超小型衛星の将来性について明るい展望を想定しているようです。

インターステラテクノロジズ社のロケットのイメージ
インターステラテクノロジズ社のロケットのイメージ
インターステラテクノロジズ社のロケットのイメージ
(出所:丸紅ホームページ)