前回紹介した、水鳥の羽を人工素材で置き換えるための、星の数ほどのトライアンドエラー。今回はその跡を追って、1つひとつ見ていきたいと思います。“歴代”の試作品(図1)を、右から左に向かってたどっていきます。
[1]現在市販されている、一般的な人工素材のシャトル
羽が網状で、一体成形になっています。打球感、飛翔感などが、水鳥の羽という天然素材を使ったものに全く及びません。そこで、少しでも近づけるような努力が始まりました(図2)。
[2]軸を樹脂で試作
軸を汎用樹脂で、それ以外の羽部分は不織布で造りました。水鳥の羽よりかなり重いそうです(図3)。
[3]炭素繊維を配合
炭素繊維(短繊維)で強化しました。これでも、まだ天然の羽には及びません(図4)。
[4]軸をABSで試作
さまざまな品物に使われているABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)で試作したものです。羽は樹脂を発泡させたものに変わりました。これでも、まだ水鳥にかないません(図5)。