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スポーツをテクノロジーする

早まる「ドン」のタイミング

“スタート”をテクノロジーする・第6回[連載第26回]

  • 北岡哲⼦=⽇本⽂理⼤学特任教授
  • 2017/05/18 05:00
  • 1/4ページ

 本取材で一番の大きな驚きは、1964年東京五輪で出発合図員補助役員を務められた野﨑忠信氏(元明星⼤学情報学部教授)に「不正スタートはスターターの責任」と聞いたことでした。それまでは100%競技者の責任だと考えておりましたし、それを疑ったことなどありませんでしたから。そこで、スターターの何が競技者の出発に影響を与えるのか、スタートまでのプロセスを最後にまとめてみます。

英語の合図でタイミングが変わる

 以前は、笛がスターターの必需品でした。スタートさせる用意ができたら、まず笛を吹きます。フィニッシュ地点にいる決勝審判員主任は、この笛を聞いたら、音色の違う笛で合図を返します。スターターはそれを確認してから、おもむろに台に上がり、

 「いちについて」

と発声し、その約20秒後に「よーい」と言います。その後、1.8~2秒で「ドン」と撃ちます。

 ところが今は、「ドン」のタイミングが1.4~1.5秒と早まる傾向にあります。なぜでしょうか。それは、合図が英語になったからです。「On your marks, Set」の「セット」が、1音節の促音であり、早く言えてしまうからです。

 「セート」と長音にして延ばせば日本語の「よーい」と言葉の長さが同じになってタイミングが合うのですが、日本でも現在、日本陸上競技連盟主催の競技会は英語ですので、タイミングが早くなりがちです(それ以外の国内大会は日本語の「よーい」でいいというルールもあります)。

 不正スタートをさせないスターティング技術は、実践によってスターターの身につくものです。具体的には、スタート地点の競技者の状態を見て「位置について」は大きな声で言う。その間ずっと競技者を見て、どういう声で「よーい」を言ったら良いスタートにつながるかを研究しているそうです。

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