──トヨタグループではSQCをどのような場面で活用しているのでしょうか。

皆川氏:1つは、量産化工程(企画から量産までの一連の工程)での活用です。製品企画から構想設計、詳細設計、試作、評価、製造準備、量産試作、評価、量産。すなわち、ものづくりの全ての工程で使います。

 もう1つは、日常問題(日々の仕事)における活用です。具体的には、問題の明確化や現状把握、目標設定、要因解析、対策立案、対策実施、効果確認、標準化と管理の定着、反省と今後の対応。これらの各場面でSQCを利用するのです。

 つまり、あらゆる仕事で日常的に使うのが当たり前。それが、トヨタグループにおけるSQCの位置づけです。

 SQCの主な手法には次のものがあります。「検定・推定」「相関・回帰」「多変量解析」「実験計画法」「応答曲面法」「品質工学」「信頼性手法」です。ここで、トヨタグループのもう1つの特徴は、「QC七つ道具」と「新QC七つ道具」をSQCの中に含めていることです。これらはSQCの中に入れないのが一般的です。

 とにかく、QC七つ道具と新QC七つ道具を含めて、少なくとも、トヨタグループの設計開発者なら全て使いこなしています。「使いこなさなければ、お客様が満足する品質の製品を造れない」というのが、トヨタグループの設計開発者の共通認識だと思います。