──機能や特性を具体的に見える化するツールということは、開発設計者にとっては必須の手法ですね。十分普及しているのでは?

皆川氏:何となく使っている企業が3割程度で、きちんとできていると言える企業は1割程度、といったところではないでしょうか。

──品質機能展開を実践している企業がなぜ、それほど少ないのでしょうか。

皆川氏:理由の1つは、使い方が分からないからだと思います。品質機能展開という言葉は知っているけれど、実践できていない企業がほとんどです。品質機能展開に関する本はたくさんあります。しかし、文章を読んだだけで実践することはなかなか難しい面がある。実際、私の講義で演習を経験して「初めて品質機能展開のやり方を理解できた」という人は結構います。

 もう1つの理由は、品質機能展開を使わなくても、とりあえず製品を造ることができるからです。それでよいとなれば、品質機能展開を実践することが面倒くさく感じるのかもしれません。