──QC七つ道具と新QC七つ道具は、日本企業の中ではよく知られている道具なのではないでしょうか。特に技術に携わっている人には常識とも言える手法では?

皆川氏:知っておいてほしい、と言いたいところです。日本の製造業に従事する社員であれば知っていなければならないものだと思いますが、知らない人が最近は増えているようです。最近は品質に関する教育が希望制になっており、受講した人は知っているけれど、受講していない人は知らないという傾向がみられます。以前、管理者の人から「QC七つ道具って何ですか?」と聞かれて私は驚いたことがあります。こうした経験もあって、品質完璧マスターシリーズにもQC七つ道具と新QC七つ道具の講座を必修科目として加えました。

 必修にしたのは、先の通り、見える化を支える手法だからです。見える化するには、「意味のある図」で示す必要があります。こうした意味のある図は、QC七つ道具と新QC七つ道具を使わないと表すことができません。例えば、不具合の項目は何か、そしてそれらがどのような比率で発生したのかという内容については、パレート図でなければ示すことができません。

 こうした言い方をするとプレッシャーを感じるかもしれませんね。実のところは、知っていると大変便利な道具なのです。だから、皆さんにぜひ使いこなしてほしいと思っています。