SDI Japan代表 米国Statistical Design Institute LLC. Country Managerの戸水晴夫氏
SDI Japan代表 米国Statistical Design Institute LLC. Country Managerの戸水晴夫氏
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 競争が激化する中、日本メーカーには「魅力的な設計品質」がかつてないほど求められている。そのためには、設計者に求められるエンジニアリング力と設計品質の向上をもたらす各種の手法を基礎から学んだ上で、一連の製品開発プロセスの中で最適な手法を最適なタイミングで活用することができる実践的なスキルが必要だ──。

 そう説くのが、「技術者塾」において「設計品質基礎講座」の講座を持つ、SDI Japan代表 米国Statistical Design Institute LLC. Country Managerの戸水晴夫氏だ。同氏に、設計者に求められる設計品質をいかに身に付けるべきか、いかに学ぶべきかなどについて聞いた。(聞き手は近岡 裕)

──「技術者塾」で開催する「設計品質基礎講座」は、どのような講座なのでしょうか。

戸水氏:設計品質基礎講座は、製品開発プロセスにおいて「魅力的な設計品質」を作り上げるための基礎的な手法を、講義と実習を組み合わせて分かりやすく受講者に提供する講座です。

 ただし、ここで採り上げる「設計品質」とは「設計の質」のこと。経営の質を経営品質と表現するのと同様です。製品が良品か不良品かを言及する際に使う品質、例えば品質トラブルという文言が指す品質とは意味が異なります。

 設計品質は、市場における製品の品質や価値を決定するものです。設計品質を作り込むには、製品開発プロセスの上流工程にある構想設計、さらには製品企画の段階から、きちんと取り組むことが望まれます。このために、具体的には製品開発の初期段階から品質管理の手法を利用すればよいと私は考えました。

 設計品質教育の目的は、「設計品質」を高めることによって、より良い「製品仕様書」を作れるようになることです。結果として、従来にない魅力的な品質を生み出すことができれば、製品の国際競争力を高める重要な技術者教育の1つになると期待しました。そして, 品質管理手法を取り込んだ製品開発を支えるエンジニアリングを「製品開発エンジニアリング」と名付けました。図1は、設計品質基礎講座で学ぶ製品開発エンジニアリングの項目を示しています。

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