2020年にレベル3

──現在、日本企業は自動運転にどれくらいまで対応しているのですか。

加藤氏:レベル2までは各社が対応しています。ところが、レベル3になると、LiDAR(Light Detection and Ranging)かミリ波レーダーか、それともカメラか、どのセンサーをベースに自動運転システムを開発すればよいのかについて、今は正解がない状態です。いずれにせよ、大手企業はレベル3に対応してくると思いますが、開発リソースに限りがある企業は対応することが難しくなるかもしれません。

──レベル3の開発に関していうと、自動車メーカーはどれくらいまで対応できているのでしょうか。

加藤氏:サーバーやワークステーションなど、車載とはほど遠い大きなコンピューターをクルマに積んで実験レベルでは出来ている企業がちらほらある、という感じです。日本でも欧米でもレベルとしては同じようなものでしょう。

 ドイツDaimler社や米Tesla Motors社、トヨタ自動車、日産自動車などは、既に高速道路であれば自動運転機能が付いたクルマを実用化しています。レベル2までは各社が商品化していますし、規模のそれほど大きくない企業でもいずれは恐らく実用化は可能でしょう。例えば、SUBARU(スバル)の運転支援システム「アイサイト」のステレオカメラや、米Intel社が買収したMobileye社の衝突防止補助システム「Mobileye(モービルアイ)」といった製品を購入して使えば、ある程度レベル2には対応できます。

 ところが、レベル3はそうはいかず、機能としては基本的にどこでも自動運転が可能な水準にしておく必要があります。ただ、レーンに従って走行すればよい高速道路のような限定された環境でのレベル3を実現することは、恐らくどの自動車メーカーでもできるだろうというのが、一般的な見解です。歩行者はいないし、右左折の必要もないからです。

──それが実現するのは、いつ頃のことでしょうか。

加藤氏:2020年頃といわれています。