──CFRP製ボディーを構成する部材の接合には、どのような接着剤を使うのですか。

若林氏:BMW社が電気自動車「i3」のCFRP製ボディーに採用したのは、2液型ウレタン系接着剤(以下、ウレタン系接着剤)です。その理由は早く接合できるから。ウレタン系接着剤は5~10分と比較的短時間で硬化します。開発したのは、ドイツの接着剤メーカーです。

 問題は、2液を混ぜてから接着が可能な時間であるポットライフ(可使時間)が2~3分と短いこと。2液を混ぜた後に、塗布して部材を貼り合わせて圧着するまでの作業をこの短時間でこなすのは大変です。

 ところが、既に専用の装置が開発されています。2液定量混合吐出装置です。2液を別々にノズルに送り込み、ノズルの先端で撹拌して吐出する。そして、塗布しない間はシンナーなどに漬けておくことで、ノズルの先端で接着剤の固化を防ぐ。これにより、連続使用が可能となる仕組みです。