重要な8つのテーマとは

──日本がプラスチックに関連する技術で競争力を高めるためには、欧州の先端情報は必須というわけですね。

小松氏:その通りです。欧州企業がどのような材料や金型、成形技術を開発し、どのようなプラスチック製品を造ろうとしているのか、またどのようなニーズが出てきたかについて、生の情報をいち早くキャッチすることがポイントとなります。

 「技術者塾」の講座では、イメージの湧きやすい動画や鮮明な写真をふんだんに使った解説に加えて、実物であるサンプル製品に触れることで欧州発の最先端の情報を「体感」することができます。これにより、いろいろな発想が得られると考えています。受講者の質問に答える質疑応答の時間も設けます。

 講座で扱うテーマは、次の8つです。

[1]軽量化技術
[2]新素材活用
[3]生産性向上
[4]複合構造体
[5]環境対応技術
[6]金型技術
[7]大学・公的研究機関の取り組み
[8]バイオプラスチックの展望

 これらは、2016年11月にドイツのデュッセルドルフで開催された「K2016(第20回国際プラスチック・ゴム専門見本市)」で主催者が打ち出したテーマと同じものです。つまり、欧州のプラスチック業界が示した切り口であり、欧州の産業界や政府の考えを要約したものと言うこともできます。その切り口に沿って最新の技術や事例を紹介していきます。